今朝のテレビのニュースでもやっていましたが、シャープも電子書籍の専用端末を2機種年内に販売すると発表しましたね。
＜電子書籍＞シャープが専用端末を年内に発売し参入 編集、配信も支援（毎日新聞） - Yahoo!ニュース
iPad独占の今の状況をなんとか打開しようと日本の企業もそれなりに頑張ってます＾＾；
どんな素晴らしい端末ができるんだろうと、記事を見て、ちょっとがっかりしました。
電子書籍端末で電子書籍を読むには、電子書籍フォーマットというものがあるのですが、今回のシャープの方式は、PDAで採用されている「XMDF」というもの。
フォーマット自体は優れていて、日本語の縦書きなどにも適していて、印刷用に作成したデータも電子書籍フォーマットに変換するのが容易という点があります。
ただ、ここで問題なのが、この変換作業の際にライセンス料が発生するということ。オープンライセンスじゃないんですね。高額なライセンス料が支払えるのは大手の出版社だけなんでしょうけど。
たとえば、作家が小説を書いて、自分で電子書籍として個人出版することをできなくしてるみたいです。そのあたりに、SHARPや参加印刷会社・新聞社・出版社などの思惑が見えてきてしまうのです。
iPadの電子書籍ビューアiBooksやSonyのeBook Store、著作権問題で話題になったGoogleBooksはEPUBフォーマットを採用しています。
EPUBはXMDFと違い、仕様が一般公開されていて、電子書籍に変換するオーサリングツールも無償提供されていて、世界的にはEPUBフォーマットに流れているといえます。新しいEPUB３フォーマットでは、日本語や中国語、韓国語の縦書きにも対応してくるそうです。
そもそもEPUBフォーマットは、企業による独占的な技術を排除して、紙に印刷するのと同じようにだれでも利用できるようにすれば、市場は拡大し消費者にとってもメリットが生まれる・・・と、開発されたものなんです。
EPUBフォーマットに変換するのも、無償のオーサリングソフトを使用すればだれでも可能で、たとえば個人が書いた小説をiTunesStoreなどで個人販売することもできちゃいます。作家が書いた小説が電子書籍化によって直接消費者の手に渡るとなると、今まであいだに入っていた、出版社や印刷会社、本屋さんがいらなくなって大変なことになる！ということなんでしょうけどね。
EPUBを提唱するIDPFという団体のメンバーには、日本の大手企業はSONY1社しか見つかりませんでした。逆に、中国や韓国の企業が目立ちます。そのSONYも日本国内向けにはまだ電子書籍端末を発売してないわけですけど＾＾；
残念ながら、まだ日本の企業は、独自のフォーマットを開発して独占化したいという思惑が働くようですね。
みんな気が付いてるとは思うのですが、独占化・寡占化することが企業の利益につながるという考えは、もう世界に通用しませんよね。携帯電話がいい例です。
そのあたりに企業も早く気がつかないと、日本は世界に置いていかれる気がします。
追記
フォーマットってな～に？ねぇフォーマットってなぁ～にぃ（低燃費少女ハイジ風に）と聞かれたので・・・
VHSのビデオデッキにはベータのビデオテープは入らないですが、ビデオテープのように、その機械で再生できる形にしたものをフォーマットって言います。
僕が言いたいのは、あなたは技術は優れてるけど一般的じゃないベータのデッキを買いますか？世界中で売れてるVHSのデッキを買いますかってことです。＾＾；
え？今の若い子ってベータマックス知らないの・・・ orz